ブラウザの「閲覧履歴データの削除」画面を開くと、「Cookie(クッキー)」と「キャッシュ(Cache)」という項目が出てきます。
どちらも「一度見たWebサイトの情報を、あなたのパソコンの中に保存しておく機能」ですが、保存しているモノと目的が全く違います。
ここを理解していないと、消してはいけないデータを消してしまったり、逆に古い情報のまま更新されなかったりといったトラブルが起きます。
この記事では、2つの違いを身近な例で解説します。
1. Cookie(クッキー)=「会員カード」
Cookieとは、Webサーバーからブラウザに渡される「小さなテキストファイル(身分証明書)」のことです。
イメージ:会員制クラブの会員カード
初めてそのお店(Amazonなど)に行くと、店員さんから「これを持っていてくださいね」と会員カード(Cookie)を渡されます。
2回目にお店に行ったとき、そのカードを見せるだけで「あ、〇〇さんですね! いつもの席へどうぞ」と案内されます。
Cookieがないとどうなる?
Webサイト(HTTP)は、基本的に「忘れっぽい」性格です。
あなたがページを移動するたびに、「あなたは誰ですか?」といちいち聞いてきます。
Cookieがあるおかげで、以下のようなことができます。
- ログイン状態の維持:ページを移動してもログアウトされない。
- ショッピングカート:商品をカゴに入れたまま別のページを見ても、カゴの中身が消えない。
- 追跡広告:一度見た商品の広告が、別のサイトでも表示される(「この人はこれに興味がある」という目印がついているため)。
注意点
Cookieを削除すると、すべてのサイトからログアウトしてしまいます。
共有パソコンなどを使うときは、他人に勝手にログインされないよう、使い終わったらCookieを削除(またはシークレットモードを利用)するのが鉄則です。
2. キャッシュ(Cache)=「手元のコピー」
一方、キャッシュとは、Webページの画像やデータそのものを「一時的に保存(コピー)」しておく機能です。
イメージ:手元のメモ帳
図書館(サーバー)に行って、分厚い図鑑(重い画像データ)を見たとします。
毎回図書館に行くのは大変なので、必要なページをコピーして手元に持っておきます。
次に同じ図鑑が見たくなったら、図書館に行かずに手元のコピーを見れば一瞬で済みますよね。
キャッシュのメリット
- 表示が爆速になる:2回目以降は、自分のPCの中から画像を読み込むだけなので一瞬で表示されます。
- 通信量の節約:毎回ダウンロードしなくて済むので、「ギガ」が減りません。
キャッシュのデメリット(更新されない問題)
Webサイト側が「新しい画像」に差し替えたのに、ブラウザがそれに気づかず「あ、その画像なら手元にあるよ!」と、古いキャッシュを表示し続けてしまうことがあります。
「ホームページを更新したのに変わらない!」というトラブルの原因は、ほぼこれです。
そんな時は、「スーパーリロード(Ctrl + F5)」を押しましょう。
これは「手元のコピーを捨てて、強制的にサーバーから最新データを取り直す」という操作です。
3. 違いのまとめ表
| 項目 | Cookie(クッキー) | キャッシュ(Cache) |
|---|---|---|
| 例え | 会員カード、通行手形 | コピー、メモ |
| 保存するもの | ユーザーID、セッション情報 (文字などの軽いデータ) |
画像、HTML、CSS (重いデータ) |
| 目的 | 「誰か」を識別するため | 表示を速くするため |
| 消すとどうなる? | ログアウトされる。 カートが空になる。 |
次回の表示が少し遅くなる。 (特に害はない) |
4. サードパーティークッキーの規制
最近ニュースで「Cookie規制」という言葉を聞きませんか?
これは、「サードパーティークッキー(第三者のCookie)」を廃止しようという動きです。
あなたがAというサイトを見ているのに、裏でBという広告会社が勝手にCookieをつけて、あなたの行動履歴を追跡する…というのは、プライバシー的に気持ち悪いですよね。
そこで、AppleやGoogleなどのブラウザは、こうした「追跡用のCookie」をブロックする方向に進んでいます。
まとめ
- Cookie:自分が誰かを証明する「会員カード」。消すとログアウトする。
- キャッシュ:データを使い回すための「コピー」。消してもまたダウンロードすればいい。
- スーパーリロード:キャッシュを無視して最新情報を見る技。
「サイトの表示がおかしいな?」と思ったら、まずは「キャッシュの削除」を試してみてください。
それでも直らなくて、ログインし直してもいいなら「Cookieの削除」を試す。この順番が正解です。