今回は、コンピューターの5台装置の一つである主記憶装置・2次記憶装置をはじめとするメモリについて解説します。
コンピューターの5大装置とは?主記憶装置とは、データを一時的に記録する装置です。
HDDやSSDのようなストレージとは異なり、文章や履歴をあくまでも一時的に保存します。
主記憶装置は勉強机だと考えましょう。
数学の勉強をするときは、数学のテキストを勉強机に広げますが、あくまで一時的に広げているだけであって
ずっとそのままにはしませんよね。
また、主記憶装置はメインメモリとも呼ばれます。
2次記憶装置は、データを永続的に記憶する装置です。
さきほどの主記憶装置とは異なり、一時的ではありません。
他の機器へのデータの運搬や複製、配布などのために利用されます。
例えるなら棚のようなもので、ずっとデータを保管しておける場所です。
主記憶装置に比べて記憶しておけるデータの容量も大きいです。
勉強机(主記憶装置)に比べると棚(2次記憶装置)は距離が遠いので、取り出すのに時間がかかってしまうことも特徴です。
キャッシュメモリは、CPU内部にある高速メモリであり、頻繁に使用されるデータや命令を一時的に保存します。
これにより、CPUがデータをメインメモリから直接取得するよりも速くアクセスできるようになります。
キャッシュメモリには、レベル1(L1)、レベル2(L2)、レベル3(L3)といった階層があります。
L1キャッシュは最も高速で小容量、L3キャッシュはL1とL2に比べて遅いですが大容量です。
主記憶装置はメインメモリとも呼ばれますが、コンピューターの記憶装置に使われている半導体メモリにはいくつかの種類があります。
- RAM
- ROM
RAMは読み書きができるメモリのことです。
電源を切ると記憶していた内容が消えてしまう揮発性があります。
ここでは2種類のRAMを紹介します。
- DRAM
- SRAM
DRAMは、コンデンサに電荷を備えた状態か否かによって1ビットを表現します。
構造が簡単で高集積化に適しているため、SRAMに比べて大容量で安価です。
ただし、コンデンサは放置しておくと自然放電してしまう特性があり、一定時間ごとに記憶内容を維持するリフレッシュ動作(再書き込み)が必要です。
DRAMは主記憶装置に用いられています。
SRAMは、フリップフロップ回路で構成され高速ですが、構造が複雑で集積度を高めにくいため、DRAMに比べて小容量で高価です。
電源が供給されている限り,記憶内容を保持し続けるため、リフレッシュ動作が不要になります。
SRAMはCPU内のキャッシュメモリに用いられています。
ROMは、読み出し専用のメモリです。
しかし、最近は書き込める者も登場しています。
電源を切っても記憶しておいた内容が消えない不揮発性があります。
これは、2次記憶装置に用いられています。
CPUがアクセスするデータは、キャッシュメモリか主記憶装置(メインメモリ)のどちらかに存在します。
ここでは、そのアクセスについて解説します。
CPUの命令プロセスについては以下をご覧ください。
CPUとは?大事なところだけ解説!まず、CPUがアクセスするデータがキャッシュメモリに存在する確率をヒット率と言います。
そして、ヒット率とキャッシュメモリのアクセス時間、主記憶装置のアクセス時間が分かれば、実効アクセス時間を求めることが出来ます。
例えば、以下の実効アクセス時間を求めてみましょう。
- ヒット率 85%
- キャッシュメモリのアクセス時間 10ナノ秒
- 主記憶装置のアクセス時間 60ナノ秒
キャッシュメモリに存在する確率は85%、主記憶装置に存在する確率は100-85=15%です。
よって、以下の式で求めることが出来ます。
10 * 0.85 + 60 * 0.15 = 17.5ナノ秒
この場合、キャッシュメモリを使うことでアクセス時間を60 – 17.5 = 42.5ナノ秒短縮したことになります。
キャッシュメモリへの書き込みには、2種類の方式があります。
- ライトスルー方式
- ライトバック方式
ライトスルー方式とは、キャッシュメモリと主記憶の両方を書き込む方式です。
常にキャッシュメモリと主記憶の内容が一致するため、一貫性が保たれます。
しかしその一方で、主記憶へのアクセスが頻繁に発生するため低速です。
ライトバック方式とは、キャッシュメモリだけ書き込み、主記憶にはデータがキャッシュメモリを追い出されるときに書き込む方式です。
キャッシュメモリと主記憶の内容が一致しないため、一貫性を保つための制御が複雑になります。
しかし、主記憶へのアクセスが減るため高速です。
今回は、コンピューターの5台装置の一つである主記憶装置・2次記憶装置をはじめとするメモリについて解説しました。
メモリは大別して、揮発性のRAMと不揮発性のROMがありました。
また、実効アクセス時間の計算方法や、キャッシュメモリへの書き込み方式についても解説しました。
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