最近のITニュースやゲーミングPCの話題で、必ず出てくる「GPU」という言葉。
「CPUと1文字違いだけど、何が違うの?」と思っている方も多いでしょう。
実は今、AI(人工知能)の急速な発展は、このGPUのおかげと言っても過言ではありません。
この記事では、CPUとGPUの決定的な違いを、「数学教授」と「1000人の美術部員」に例えて解説します。
1. CPUは「天才数学教授」
前の記事で、CPUは「シェフ(料理人)」だと説明しましたが、仕事の進め方に注目すると「超優秀なリーダー(教授)」と言えます。
CPUの得意なこと
- 難しい計算や、複雑な条件分岐(判断)が得意。
- 「AならBして、CならDする」といった論理的な指示を完璧にこなす。
- ただし、基本的には「一つずつ順番に」処理をする。
CPUは、コア数(人数)が少ない(数個〜数十個)かわりに、一人ひとりが非常に賢いのです。
パソコン全体の管理や、Excelのような複雑な事務処理は、この教授(CPU)の得意分野です。
2. GPUは「1000人の美術部員」
対してGPU(Graphics Processing Unit)は、単純作業を人海戦術でこなす部隊です。
例えるなら、「単純作業専門の美術部員が1000人いる状態」です。
GPUの得意なこと
- 難しい判断は苦手。
- 「この領域を全部赤く塗れ!」のような単純命令が得意。
- 圧倒的な人数(コア数は数千個〜数万個)。
なぜ画像処理にGPUが必要なのか?
パソコンの画面や3Dゲームの映像は、数百万個の「点(ピクセル)」の集まりです。
例えば、「画面全体を夕焼けの色にする」という処理を考えてみましょう。
CPU(教授)の場合
教授が1人で、「えーっと、1つ目の点を赤くして、次は2つ目を赤くして…」と順番に塗っていきます。
どんなに賢くても、一人で数百万個を塗るのは時間がかかります。
GPU(美術部員)の場合
リーダーが号令をかけます。「お前ら、全員一斉に目の前の点を赤く塗れ!」
1000人の部員が「ハイ!」と同時に塗れば、一瞬で終わります。
これが、GPUが画像処理や3Dゲームに必須な理由です。
「質より量」の並列処理こそが、GPUの正体なのです。
3. なぜAI(人工知能)でGPUが使われるのか?
最近話題のChatGPTなどのAIも、実はGPUの塊で動いています。
「AIって賢いから、数学教授(CPU)の方が向いているんじゃないの?」と思いますよね。
実は、AIの学習(ディープラーニング)の実態は、「膨大な量の単純な掛け算」の繰り返しなのです。
AI学習の正体 = 単純計算の物量作戦
AIが猫の画像を覚えるとき、「耳が尖っているか?」などの特徴を数値化して、何億回もの計算を繰り返します。
一つひとつの計算は、小学生でもできるレベルの単純なものです。
難しい論理を組み立てるCPUよりも、単純計算を同時並行で何万回もこなせるGPUの方が、AIの勉強には圧倒的に向いているのです。
だから今、NVIDIA(エヌビディア)というGPUメーカーの株価が世界中で爆上がりしているわけです。
4. ITパスポート試験対策:キーワード整理
試験対策として、以下の対比を覚えておきましょう。
- CPU(Central Processing Unit)
- 汎用性が高い。OSやアプリの実行、複雑な制御が得意。直列処理(シーケンシャル)。
- GPU(Graphics Processing Unit)
- 画像処理や数値計算に特化。3Dグラフィックス、AI、仮想通貨のマイニングが得意。並列処理(パラレル)。
内蔵GPUと独立GPU
お店で売っている安いノートパソコンには、GPUが入っていない(CPUの中に小さくおまけで入っている)ことが多いです。
これを「オンボード(内蔵GPU)」と呼びます。
一方、ゲーミングPCには、GPUという巨大なパーツがドカンと刺さっています。これを「独立GPU(グラフィックボード)」と呼びます。
まとめ
- CPU:パソコン全体の司令塔。複雑な処理を順番にこなす教授。
- GPU:単純作業の専門部隊。大量のデータを一気に処理する美術部員。
「動画編集をしたい」「最新の3Dゲームをしたい」「AIを動かしたい」
そう思った時は、「教授(CPU)だけでなく、美術部員(GPU)がたくさんいるパソコンが必要だな」と思い出してください!