新しいプリンタを買ってきてパソコンに繋いだのに、なぜか動かない。
説明書を見ると「まずはデバイスドライバをインストールしてください」と書いてある。
「線をつなげば動くんじゃないの? 面倒くさい!」と思ったことはありませんか?
この「デバイスドライバ(Device Driver)」は、パソコンと周辺機器をつなぐ上で絶対に欠かせないソフトウェアです。
なぜこれが必要なのか? その理由を「通訳」や「取扱説明書」に例えて解説します。
1. OSは「全ての機械」を知っているわけではない
以前の記事で、「OS(Windowsなど)は、ハードウェアを動かす『人格・司令塔』だ」と説明しました。
しかし、世界中には星の数ほどの周辺機器(プリンタ、マウス、Webカメラ、スキャナなど)があります。
いくら優秀なOSでも、世界中のあらゆるメーカーの、あらゆる機械の操作方法を最初から全部知っているわけではありません。
例え話:社長と新人スタッフ
- OS(社長):「おい、そこの新人(新しいプリンタ)! 書類を印刷してくれ!」
- プリンタ(新人):「…(言葉が通じない、操作方法が特殊)」
- OS(社長):「使い方が分からん! 動かせないぞ!」
ケーブルをつないだだけでは、OSは「何か未知の物体が接続された」ことしか認識できません。
そこで必要になるのが「デバイスドライバ」です。
2. ドライバは「専属の通訳・取扱説明書」
デバイスドライバ(単にドライバとも呼びます)は、その周辺機器をOSに紹介し、翻訳してあげるための小さなプログラムです。
ドライバをインストールすると…
- ドライバ(通訳):「社長、こいつはエプソン出身のプリンタ君です。印刷命令は『Print』ではなく『Inji』と言えば伝わります」
- OS(社長):「なるほど! よし、印刷してくれ!」
- プリンタ:「はい、動きます!」
つまり、デバイスドライバとは「OSに、その機器特有の操作方法を教えてあげる取扱説明書(兼 通訳)」なのです。
だから、機器を買うたびに、その機器専用の通訳(ドライバ)をパソコンに入れてあげる必要があります。
3. 「挿すだけで使える」のはなぜ?(プラグアンドプレイ)
「でも最近のマウスやキーボードは、挿すだけで勝手に動くよ?」と思いましたか?
それは、OSが進化して「よくある機器のドライバ(標準ドライバ)」を最初から内蔵しているからです。
直訳すると「挿して(Plug)、すぐ遊べる(Play)」。
周辺機器をつなぐと、OSが自動的に適切なドライバを探して設定してくれる機能のことです。
しかし、高機能なプリンタやゲーミングマウスなどの「特殊な機能」を使う場合は、OS標準の知識だけでは足りません。
だから、メーカーの公式サイトから専用のドライバをダウンロードしてインストールする必要があるのです。
4. パソコンの不具合はドライバを疑え!
「突然音が鳴らなくなった」「画面の解像度がおかしい」「マウスが動かない」
こうしたパソコントラブルの多くは、「ドライバが古くなっている」か「OSのアップデートでドライバと話が通じなくなった」ことが原因です。
そんな時は、以下の手順を試すのがITに強い人の鉄則です。
- 「デバイスマネージャー」という画面を開く。
- 調子の悪い機器(スピーカーなど)を探す。
- 「ドライバの更新」ボタンを押す。
これだけで、新しい通訳がやってきて、またスムーズに動くようになることが多いです。
5. ITパスポート試験対策:カーネルとの関係
少し難しい話ですが、試験対策として覚えておきましょう。
OSの中核部分を「カーネル」と呼びます。
- アプリ:ユーザーとやり取りする。
- カーネル(OSの中心):メモリ管理やタスク管理をする。
- デバイスドライバ:カーネルとハードウェアの間に入って翻訳する。
ドライバは、OSの中でも最も深い部分(カーネルモード)で動いています。
だから、ドライバに不具合があると、アプリが落ちるだけでなく、パソコンごとフリーズ(ブルースクリーン)してしまうことがあるのです。
まとめ
- デバイスドライバは、OSと周辺機器の「通訳・取扱説明書」。
- 機器ごとに専用のドライバが必要。
- プラグアンドプレイ機能のおかげで、一般的な機器は自動設定される。
- パソコンの調子が悪いときは、ドライバの更新を試してみる。
「線をつないだのに動かない!」と焦る前に、「あ、通訳(ドライバ)を紹介していないな」と思い出してください。
それだけで、トラブル解決の糸口が見つかるはずです。