【Web基礎】ルーターとスイッチの違い|「玄関」と「タコ足配線」で覚える

オフィスの床や机の下を見ると、LANケーブルがたくさん刺さった箱のような機械が転がっています。
あれは「ルーター」でしょうか? それとも「ハブ(スイッチ)」でしょうか?

見た目はそっくりですが、役割は全く違います。
ITパスポートなどの試験では、この「担当する階層(レイヤ)の違い」が必ず問われます。

この記事では、ネットワーク機器の役割を「家の構造」に例えて解説します。

1. スイッチ(ハブ)は「タコ足配線」

まず、スイッチ(スイッチングハブ)です。
これは、「同じネットワークの中で、接続台数を増やすための機器」です。

イメージ:電源タップ(タコ足配線)

壁のコンセントは1つしかなくても、電源タップを使えば、テレビもゲーム機もスマホも同時に充電できますよね。
スイッチも同じです。
「家の中(LAN)」という1つの空間で、パソコンやプリンタを何台も繋ぎたい時に使います。

「バカハブ」と「スイッチ」の違い

昔は「リピーターハブ(通称:バカハブ)」という機器が使われていました。
これは、入ってきたデータを「何も考えずに全員にバラ撒く」だけの機械でした。
これだと、関係ないパソコンにもデータが届いてしまい、通信が混雑します。

今の主流である「スイッチ(スイッチングハブ)」は賢いです。
「宛先(MACアドレス)を学習して、関係あるポートにだけデータを送る」機能を持っています。
郵便屋さんが、宛名を見て正しい部屋のポストにだけ手紙を入れるようなものです。

2. ルーターは「世界をつなぐ玄関」

次に、ルーターです。
これは、「異なるネットワーク同士をつなぐ機器」です。

イメージ:家の玄関(関所)

スイッチが「家の中の配線」だとすれば、ルーターは「外の世界(インターネット)に出ていくための唯一の玄関」です。

  • 家の中のルール:LAN(プライベートIP)
  • 外の世界のルール:WAN(グローバルIP)

この2つの異なるルールを翻訳して、データを行き来させるのがルーターの仕事です。

だから、家の中でPC同士通信するだけなら「スイッチ」があれば十分ですが、インターネット(外)に繋ぎたいなら「ルーター」が絶対に必要になります。

3. 試験に出る!OSI参照モデルでの違い

ここがITパスポート試験の最重要ポイントです。
ネットワークの通信は7つの階層(レイヤ)に分かれていますが、それぞれの機器が「どの階層の住所を見ているか」が違います。

スイッチ(L2スイッチ)

  • 担当:データリンク層(レイヤ2)
  • 見る住所:MACアドレス
  • 解説:
    MACアドレスは「機器固有のID」です。
    「隣の席のAさんのPC」といった、近場の通信を制御します。

ルーター

  • 担当:ネットワーク層(レイヤ3)
  • 見る住所:IPアドレス
  • 解説:
    IPアドレスは「最終的な目的地」です。
    「アメリカのGoogleサーバー」といった、遠くへの経路(ルート)を案内します。

「スイッチはMACアドレス(L2)」、「ルーターはIPアドレス(L3)」
この組み合わせは、呪文のように唱えて覚えてしまいましょう。

4. 「Wi-Fiルーター」って何なの?

家電量販店で売っている「Wi-Fiルーター(無線LANルーター)」は、実は以下の3つの機能を合体させたハイブリッド製品です。

  1. ルーター機能:インターネット(外)と繋ぐ。
  2. スイッチ(ハブ)機能:背面の4つくらいのLANポートで、PCを複数繋ぐ。
  3. 無線アクセスポイント機能:Wi-Fiの電波を飛ばす。

本来は別々の機械だったものを、家庭用に便利にまとめたのが「Wi-Fiルーター」なのです。
企業などのプロの現場では、今でもルーターとスイッチと無線機は別々の機械として設置されます。

まとめ

  • スイッチ:家の中(LAN)でタコ足配線する。MACアドレスを見る。
  • ルーター:外の世界(WAN)とつなぐ玄関。IPアドレスを見る。
  • Wi-Fiルーター:全部入りの便利セット。

もしオフィスのネットが遅い時、「スイッチが古い(100Mbpsしか出ない)」ことが原因かもしれません。
足元の黒い箱を見たら、「お前は賢いスイッチか? それともただのハブか?」と確認してみてください。

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