ネットワーク設定画面に出てくる「デフォルトゲートウェイ」という言葉。
直訳すると「既定の出入り口」ですが、これがないと私たちはインターネットを使うことができません。
「Wi-Fiには繋がっているのに、ネットが見られない」というトラブルの時、原因は大抵これです。
この記事では、デフォルトゲートウェイの役割を「教室のドア」に例えて解説します。
1. ネットワークは「閉じた教室」
あなたの家やオフィス(LAN)を、一つの「教室」だと想像してください。
PCやスマホは、その教室に座っている「生徒たち」です。
① 教室内の会話(LAN通信)
生徒A(PC)が、同じ教室にいる生徒B(プリンタ)にプリントを渡したい時。
これは簡単です。直接歩いて渡せばいいだけです。
(※スイッチングハブを経由して直接通信します)
② 外への用事(インターネット通信)
では、生徒A(PC)が、学校の外にいるGoogle先生に手紙を出したい時はどうすればいいでしょうか?
窓から手紙を投げるわけにはいきません。
必ず「教室のドア(出入り口)」を通って、廊下に出る必要がありますよね。
この「教室のドア」にあたるのが、デフォルトゲートウェイです。
2. 「とりあえずあそこに行け」という看板
コンピュータは融通が利かないので、具体的な指示が必要です。
「外の世界(Googleなど)に行きたいなら、とりあえずあのドアの所に行きなさい」と事前に教えておく必要があります。
- Default(デフォルト):特に指定がない場合、とりあえず。
- Gateway(ゲートウェイ):出入り口。関所。
つまり、「宛先が同じ教室内(LAN)に見つからない時は、とりあえずこの出入り口(ゲートウェイ)にデータを投げろ!」という設定値のことなのです。
3. 実体は「ルーター」のこと
では、現実世界でこの「ドア」の役割をしている機械は何でしょうか?
答えは「ルーター」です。
以前の記事で、「ルーターは内(LAN)と外(WAN)をつなぐ玄関」だと説明しました。
PCの設定画面で「デフォルトゲートウェイ:192.168.1.1」となっていたら、それは「ルーターさんの内側の住所」を指していることがほとんどです。
[Image of default gateway network diagram]
通信の流れ
- PC:「Googleに行きたいけど、行き方を知らないや。とりあえずデフォルトゲートウェイ(ルーター)さんに渡そう!」
- ルーター:「はい、受け取りました。Googleへの行き方は私が知ってるので、代理で送っておきますね」
もしこの設定が空欄だと、PCは「Googleに行きたいけど、出口がどこか分からない!」と部屋の中で立ち尽くしてしまい、ネットに繋がらない状態になります。
4. ネットワークトラブルの切り分け
「ネットが繋がらない」と言われた時、エンジニアは次のように考えます。
- IPアドレスはあるか?
→ 無ければ、そもそも教室に入れていない(Wi-Fi接続やDHCPの問題)。 - デフォルトゲートウェイは見えているか?
→ ここに「Ping(疎通確認)」を送って反応が無ければ、出口のドア(ルーター)が壊れているか、LANケーブルが切れている。 - その先(Yahooなど)に行けないのか?
→ デフォルトゲートウェイまで行けるのに外に出られないなら、プロバイダや回線業者の問題。
このように、デフォルトゲートウェイは「内と外」の問題を切り分ける重要なチェックポイントになります。
まとめ
- デフォルトゲートウェイは、LANから外に出るための「出口のドア」。
- その正体は、基本的に「ルーター」。
- 「宛先が分からないデータは、とりあえず全部ここに送る」というルール。
もしPCの設定画面を見る機会があったら、「あ、これがこの部屋の出口(ドア)の場所なんだな」と確認してみてください。
出口が分かれば、データの気持ちになって迷わず外へ出られるはずです。